『セザンヌと過ごした時間』

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売れない画家の、早く世に出た幼なじみに対するやっかみの凄まじさ。

しかし物書きなら自分のことを書かねばならない現実において、画家の私生活は絶好のネタ。

それを晒さすしかないジレンマの繰り返し。

セザンヌはよくケンカしたという逸話は読み知っていたが、これほど激しやすい人とは思わなかった。

嫉妬が憎悪になり物を投げるは壊すは。

ゾラとセザンヌが互いを傷つけ合いながら認めてくれないアカデミーやサロンに悪態をつき創作に苦悩する姿が凄まじくも愛おしい。

「絵はやめない、描きながら死ぬ」

見かねたモデルを務める妻から「絵を辞めて!」と言われてセザンヌの人生はどうなったのか、物語としても出色だ。

2016年 仏

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 80点

『ガザの美容室』

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パレスチナの超過密都市ガザの、ある美容室での女性たちの飾らない会話が超面白い。

表からは銃声が聞こえ、ライオンをペットにした男が復縁を迫る。

美容室というより応急設置の散髪屋という感じの「女の逃げ込み所」で繰り広げられる本音の吐露は、中東の人達独特の遠慮のないお喋りにあふれ、笑いを誘う。日本の女性にも受ける掛け合いだろう。

その人間味は人間賛歌のようだ。

2018年、パレスチナ・仏・カタール合作

⭐︎⭐︎⭐︎★(70点)