田中小実昌著『上陸 田中小実昌初期短編集』

田中小実昌著『上陸 田中小実昌初期短編集』(河出文庫)には著者独特の表現があって、ロスだったかシアトルだったか、マコさんに「糖が高いから酒は控えてよ」といわれたのに、つい深酒してしまって飽きられる主人公のひょうひょうとした生きざまが脳裏に浮かんで仕方がない。

「・・満里と同じベッドの中で、おれは考えていた。考えるなんてことは、ほとんどしたことのないおれが、どうして考えたりしたのだろう。また何のために、何を考えたのか―分からない。考えている、とただ自分で思っただけだろうか」

コミさんは人間の曖昧さ不確かさをこうして表現しているのだろう。ひどく共感するところがあって、テレビには結構怒っているのだが、知らぬ間に人の曖昧さを容認する人間になってしまった。まだ読んでいない本がないか探すのだが、著者の書いた本は本当に少なくて困ってしまう。


読んでいる本

『IN』 桐野夏生 集英社文庫
『目白雑録3』 金井美恵子 朝日文庫など。






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