テーマ:映画

わたしは、ダニエル・ブレイク

「人をなんだと思ってんだ」という映画。 イギリス北部、考えられないくらい優しい周りの人々と、杓子定規で融通の効かない役所仕事・制度の冷たさ。 2人の子供を抱えながら給付金がもらえず悪戦苦闘するシングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)が、極貧の中でもしっかり両手で我が子へを愛おしむそぶり、先行きが見えない不安に暗…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『読まれなかった小説』 人には個性ってものがある

息子や奥さんを通して見える 教師で井戸掘りのダメ親父ぶりをとくとご覧あれといいたいが 「人には個性ってものがある それを認めて生きていくしかないのだ」の独白に圧倒される これ程結末の知れ渡った映画はない程報道されたにもかかわらず映画館に行ったのは“トルコ映画『雪の轍』の感動をもう一度”だった トルコは親日だといわれて…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ジョジョ・ラビット』 靴ひもを結んでやる温かみ

ヨーロッパ征服を目指すナチスドイツにとって ユダヤ人排斥・大ドイツ主義は国是であり 国家に洗脳された少年の憧れがヒトラー・ユーゲントなのもまた当然な時代に 10歳のジョジョが懸命にグループに馴染もうとする姿を 抵抗運動に身を潜める母親だって否定できないのは あの戦争で軍国少年を見る隣組の呪縛に縛られた日本の母親と同じ悲劇だ …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ROMA ローマ

床をこするような音と共に泡立つ水が石畳の上を流れゴボゴボと吸い込まれるタイトルバック。 底通しているのは水、そして羊水、波。 公衆トイレかと思われたのはエントランス兼車庫で、ウンチを撒き散らす飼犬の持ち場でもあり、そこへ肩怒らせた高級車が無理矢理入庫してくる。 怒鳴られながらも虐待を受けるわけでもなく、メキシコ上流家庭の子供達…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

デトロイト

黒人を殺した警官が無罪になって暴動が起きる事件が再三発生していたアメリカのヘイトクライムを描く『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督がアカデミー賞 作品賞・監督賞を受賞した作品。 まるでうっぷん返しのように差別されるものにとってはたまったものではない。 市警と州警は何故こうも違うのか、人種差別の当事者である市警は…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

判決、ふたつの希望

非難し合った結果が戦争になってもいいのか。 「シャロンに叩きのめされていたらよかったんだ!」レバノンの男性がパレスチナ難民労働者を罵倒するところから始まる、レバノン出身のジアド・ドゥエイリが民族宗教対立の裏にある歴史や差別に踏み込みながら密度の高い人間ドラマを創った。 これは日本が取り組む移民政策(‪入管法改…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ゴーギャン タヒチ、楽園への旅

パリでは一生売れない画家「怠惰にはなりたくない、偉大な芸術家なのだから耐え抜く」糖尿病を患いながらひとり分け入ったポリネシアの森の中。考える前に描いている。描くこと彫ることが好きなのがひしひしと伝わってくる。 のっそりと寡黙なアンソニー・クイン型ではなく、気力みなぎり行動力溢れるゴーギャンを、エドゥアルド・デルック監督は純文学風に描…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

バハールの涙

「戦地の情報は1回クリックしてそれきりよ。殆ど無関心なのだから」紛争地を取材する女性は呟く。 シリア戦ではアメリカの尖兵となって活躍したクルドは、トルコから虐待を受ける国のない民族。ISから、男は虐殺され女性は性的暴行に晒され、子供は拉致されて戦闘員にされるのは、相手に大きなダメージを与える内戦の常識。 イランの女優…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

天才作家の妻 40年目の真実

ノーベル文学賞は作品の文学性か弾みか。 夫のノーベル賞授賞式についていった女房の若い時は何者だったのか。そして、タクシーの中で何が起こったのか、終盤の胸をえぐられるシーンになだれ込む感動作だ。 人には表と裏があり作家が例外であるはずはなく、観る者によって解釈も違うのだろうと、余韻の長びく映画となった。 ストーリーに…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

極貧だが上を望まず不平も吐かない自然な生き様に、胸が震える思いだ。 電気も引いてないカナダの片田舎。モード・ルイスは不自由な体だが兄に住む家を売られ、叔母に預けられているが死産した経験を持つ。魚の行商を営むエベレット・ルイスの求人掲示板に応じ、家を飛び出したルイスは彼の家政婦として働くことになったが、孤児のルイスは人の使い方が分か…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ブラックブック

ネットを覗くと、イスラエル・パレスチナ問題では圧倒的にパレスチナに同情的な人が多い。無理もない。自分たちの土地に勝手に入植して支配地を広げ、壁を作り、パレスチナ人を排斥している報道を知るにつけ「それはないよ」と思わせる面のあることを。 しかし、紀元前にパレスチナ・ペリシテ民族が滅亡し、その後のイスラエル王国も滅亡、彼の地は列強…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ベイビーブラザー』

年の離れた3兄弟が亡くなった母親をそれぞれに思いながら、父親を探さざるを得ない旅が、骨まで凍り付くように寒い。 アメリカ社会は、差別が激しいと聞くが、黒人も白人も共に生活し、付き合いそして恋愛もしている。これが実情なのだ。 排他主義が目立つ今の世界で、こんなにも普通に生きている人達をもっと知るべきだと思う。 ボクはとい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ボヘミアン・ラプソディ

一介の小生意気な男が、自分の曲と声を売り込んで短い「生」を一気に駆け上がる2時間余り。 特異な風貌のラミ・マレツクがボーカル・フレディ・マーキュリーの血を吐くようなシャウトに乗り移って歌う姿に胸が震える。 グループの宿命“仲間割れ”に深く関わらず、クイーンの楽曲に特化した映画作りが成功した。小さな足踏みから大観衆のライブステ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ザ・スクエア 思いやりの聖域

最初は取るに足らないパフォーマンスと思っていたら、以外に本気だったので、関わりたくないからじっと下を向いて事が過ぎ去ることを待っていたら、相手は調子に乗って牙をむき襲いかかって来て無茶苦茶に破壊をはじめる。 ということはないだろうか。 非現実が現実になって気がついたら手がつけられない惨事になる事がこの世ではあるのだ。 ただの…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

サラの鍵

ドイツ軍がパリに無血入城して2年。 1942年頃のフランス官憲を利用した過酷なユダヤ狩りの恐怖を、強い意志を持ったカメラが、怯える群衆の俯瞰図を通して虐待の悲惨を浮き彫りにして行く。 一家が自宅から連行される時に弟を置き去りにした自責の念にかられる少女サラが、収容所から逃げるシーンのなんと美しいことか。 ホロコーストを背負った少…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

何となく満たされない心のすきまに忍び込んだ投げやりな気持ちから取り返しのつかない事態を招いてしまった雇われ便利屋の男。ふさぎ込み虚ろな日常は、ビールのラッパ飲みでは発散できず、少しづつやり場のないエネルギーを蓄積して行き突然となりのカウンターで飲む男を殴りつけたりする。 そこに降って湧いた勝手気ままな甥の後見人の役。 爆発する相…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ハクソー・リッジ』

あの時代、日本兵は毎日訳もなく上官に殴り蹴られていたが、アメリカでは怒鳴りあうだけだから、消耗の差や上司に対する信頼も格段の差があったと考える。 戦争は前線のむごたらしさと国民の悲惨がごっちゃに進行するものであるが、反戦主義者のメル・ギブソンは、兵隊達が戦場で、引きちぎられ切断される様を「プライべート・ライアン」よりリアルな映像を…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『野火』

補給無き戦争。太平洋戦争はもとより中国大陸でも日本軍の作戦は現地調達が原則だったから銃や大砲で殺られるより餓死していく兵が圧倒的に多かった。敗戦濃厚となって敗走する兵士の悲惨は大岡昇平の「野火」よりむしろ古山高麗雄『フーコン戦記』の一場面一場面を目の当たりにする思いだ。 道無き道に転がる日本兵。「いい天気ですね」といっ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『サイの季節』権力の圧倒的腕力になすすべもない個人の運命

体制側を批判した、と取られた詩を書いた男が、妻とともに捕らわれた。30年という年月はあまりにも長過ぎる。ボクなら悲観して獄死しそうな期間だ。そして女性に執拗に迫る官憲は男を抹消しようと動く。 モノトーンのシーンに、人への思いと運命、誤解が絡み合い、象徴的なカット割りを刻んで行く。今現在も世界で続く内戦の悲劇でも同じ図式…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「雪の轍』

物も言いたくないほど冷え込んだ夫婦なら、互いに無口になってしまうものだろうが、老境に入る男と女の何という饒舌。 互いに自分の論理を主張して一歩も引かない。 「自己満足の駄文書き」と罵られた洞窟ホテルの主人と、暇を持て余し「やることもないのか、趣味の一つも持てよ」とばかにされる妻が丁々発止の大激論。書きたくても書けない…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『チャイルド44 森に消えた子供たち』

ゾッと寒くなるほど怖い映画です 『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009年)のノオミ・ラパス(スエーデン生 35歳)が スターリン下の秘密警察官の妻として 明日のない絶望の罠に陥った役を好演するサスペンスミステリー スターリンの恐怖政治がまっただ中の大戦直後ソ連で 子供の連続猟奇殺人事件が発生する…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『天井桟敷の人々』

19世紀パリ ゴチャゴチャした道頓堀?大通りの軽業とマイムの庶民劇場 人気のバローがフーテン役者アルレッティに恋をする 綺麗な彼女に言いよる男はあまた居たわけだ 「好きじゃなくて、愛してよ」パリの女は いや男だってどいつもこいつも確認したがるのだ そんなこと現代では言わないだろう もしかして 字幕の便利上そうなったのか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』

薬漬けのアーチストに巣食い 暴利を貪るやからが居る 上手いこと取り入って金を絞り取るのだ かつて薬に染まり あたら才能を捨てたアーチストがいた ジャニス・ジョプリン ハンク・ウイリアムス エルビス・プレスリー ホイットニー・ヒューストン マイケル・ジャクソンetc 惜しい人を早死にさせてしまったものだ …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ホタル』

「誰にもどうにもならんことがあるのよ」知子。 「どうか 特攻隊のことを語り継いでください」知覧の母・山本富子。 国家という残酷。「お国のため」は自民党の改憲草案にも顔をのぞかせています。 基本的人権・表現結社の自由を放棄したら 「いつか来た道」 戦争は「中韓をやっつけてスカッと」する様な勝負事ではありません。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『セントラル・ステーション 』 セリフにならない膨大な思い フェルナンダ・モンテネグロ

なにか、おかしくて悲しいロードムービー。 教師を辞めてから始めた仕事は、お客から預かった封書を本当に宛先へ出しているのか疑わしい道端営業の代書屋ドーラ(フェルナンダ)。 そこへ現れたお母さんと息子ジョズエ(ヴィニシウス)は、刑務所でお役目をする夫に代書を頼みに来たお得意さん。 ある日歯の浮く様なラブレターを…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『バグダッド・カフェ』

不機嫌な人達がのっけからケンカしまくり それに続く 妙な空気がやたらと可笑しい しかも最初っから 画面が傾いているんだよね ラスベガス近くの砂漠でモーテルとガソリンスタンド兼業のカフェ「バクダッド」では 育児と家事に忙殺されているアフリカ系女主人CCH・パウンダーが毎日不機嫌極まりなく 怒鳴り散らしている そこに現れたデ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『ミニー&モスコウィッツ』

可笑しくて面白くて泣けてしまう。何やかや言っても本音をセーブしながら周りと折り合いを付け、社会秩序を乱さないように肩肘張って生きている。そんなボクらに精神の解放を促す映画だ。 やたらと怒鳴り散らす自己中心な男が何人も出てくる。そのしつこさ加減が、「あるよなあ」と思わせて可笑しくてたまらない傑作だ。 ジーナ・ローランズの「もううん…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

 『ハーブ&ドロシー 』 彼もアーチストだった

驚嘆すべきは 財力も保管スペースもない素人のサラリーマンが これほど膨大な量のコレクションを続けた事実だ   郵便局で仕分けをしていたハーブと その妻で元司書のドロシーは元々絵が好きでアーティストとして絵も描いていた それらの絵は カンバスから剥がし 折り畳んで段ボールに保存していたことも明かされる 「いい絵だね…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』

ストーリーが平凡な上、映像的にも騒がしいだけで目新しい物もなく、5作目にしてアイディアの枯渇が気になる凡作になってしまった。 ヒロインのカヤ・スコデラリオが、濡れても乾いても大時代的な衣装の胸元を、寄せて持ちあげたままなのが噴飯物だが、目力の美しさだけはチケット代も惜しくない。 『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』(20…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

『サウルの息子』 ホロコーストの叫び

ハンデイカメラが男に密着し、 ホロコーストのおぞましい様相を追う。 ガス室に送り込まれる人々の息づかい、 絞り出される声、 閉められた鉄扉を叩く こぶしの音、 飛び交う単語、 怒鳴り合い。 こういう時代だからこそ 人々は何かを求めて 寄って来るのだろう。 …
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more