『サウルの息子』 ホロコーストの叫び

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ハンデイカメラが男に密着し、

ホロコーストのおぞましい様相を追う。


ガス室に送り込まれる人々の息づかい、

絞り出される声、

閉められた鉄扉を叩く

こぶしの音、

飛び交う単語、

怒鳴り合い。


こういう時代だからこそ

人々は何かを求めて

寄って来るのだろう。

ウイークデーのミニシアターは

満席だった。



人間を大量に抹殺して行く収容所で、

ガス室に誘導し、

遺品や遺体を処理するのも

同じユダヤの仲間。

抵抗すれば殺される。

僅かな糧で

寝ることすらままならない。

彼らもまた

ハンナ・アーレントのいう

「対独協力者」

と言われるのだろうか。

目の前で殺された

見知らぬ少年の遺体を、

なんとか

手厚く葬りたい男の思いは、

生きることを許されない

絶望の中の祈りのようなもの。



『サウルの息子』


(2015年 ハンガリー)

監督:ネメシュ・ラースロー

出演:ルーリグ・ゲーザ

2015年・第68回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞

☆☆☆★ 70点

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