『サウルの息子』 ホロコーストの叫び

画像


ハンデイカメラが男に密着し、

ホロコーストのおぞましい様相を追う。


ガス室に送り込まれる人々の息づかい、

絞り出される声、

閉められた鉄扉を叩く

こぶしの音、

飛び交う単語、

怒鳴り合い。


こういう時代だからこそ

人々は何かを求めて

寄って来るのだろう。

ウイークデーのミニシアターは

満席だった。



人間を大量に抹殺して行く収容所で、

ガス室に誘導し、

遺品や遺体を処理するのも

同じユダヤの仲間。

抵抗すれば殺される。

僅かな糧で

寝ることすらままならない。

彼らもまた

ハンナ・アーレントのいう

「対独協力者」

と言われるのだろうか。

目の前で殺された

見知らぬ少年の遺体を、

なんとか

手厚く葬りたい男の思いは、

生きることを許されない

絶望の中の祈りのようなもの。



『サウルの息子』


(2015年 ハンガリー)

監督:ネメシュ・ラースロー

出演:ルーリグ・ゲーザ

2015年・第68回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞

☆☆☆★ 70点

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この記事へのコメント

2017年07月17日 10:48
小枝さん、ありがとうございます。
ガス室に閉じ込められた生きた人間が、激しく鉄扉をたたく音が脳裏から離れません。
小枝
2017年07月17日 11:06
ご指摘のシーン、私も印象に残りました。
何よりもまして実写フィルムで、
ナチの凶行を見たこともありますので
忠実にその殺戮を再現している点に
驚愕すると共に、こうした重い内容を
真摯に捉えようとしている本作の意図が
こちらに伝わってきた作品でした。
2017年07月19日 21:02
ホロコーストの犠牲者は500万人ともいわれ、戦争に大虐殺は付き物とはいえ、あまりの残虐行為に、ユダヤ人の無念はいかほどか想像もつきません。
ネットではパレスチナに同情の声が多いようですが、ボクはやっと見つけたイスラエルの建国に肩入れしたくなります。

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