『ザ・インタープリター』密度の高い社会派サスペンス
皆に親しまれた国の英雄も、権力の座に就いたら冷酷な独裁者に変貌してしまう。
彼の暗殺を狙うもの。それを阻止しようとうごめく親衛組織の罠。
アフリカのマトバ。
幼い頃 international marriageの両親が部族間抗争で惨殺される、という闇を抱えたニコール・キッドマンは長じて、国連の通訳になるが、親の死に絡んだ指導者が、独裁者として国連で大量虐殺の正当性を訴える機会を狙う。
シークレット・サービスのショーン・ペンが、護衛するキッドマンに心を許し、妻の秘密を明かす頃から、物語は一気にサスペンスが高まる。
気は強いが家族を亡くし、憂いを含んだニコール・キッドマン。
気の進まない仕事から、次第に心を開いて行くショーン・ペン。
殺戮は憎しみの連鎖を生むだけと分かっていても。それを乗り越える道はあるのか。
「テロ撲滅という名の大量虐殺は今の世界のことだ」という声が聞こえるようだ。
『ザ・インタープリター』 (2005年アメリカ イギリス フランス)
監督:シドニー・ポラック(トッツィー 愛と哀しみの果て )
出演者:ニコール・キッドマン ショーン・ペン
☆☆☆☆ 80点
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