皮肉たっぷりな ジョン・アーヴィング著 『熊を放つ 上』

皮肉たっぷりにしゃべり続ける抵抗の本だ。

揶揄はバイク好きな若い男二人が、あてずっぽうな旅に出た先で、オカマ呼ばわりされても意に介しないところから始まり、田舎の主婦、動物園の夜警、政治家・パルチザン・ナチスへと際限がなく、その語り口は取っ付きにくく、何度も投げ出そうとしたが「圧倒的な物語」を頼りに読む進めたのが幸運だった。

終盤になって慣れてくるとコントのようなリズム感に引きずりこまれてしまったのだ。

図書館で下巻を手に取ったら、上巻の傷みように比べて、まるで新刊並みの新しさ。やったと思ったね。

あまりの取っ付きにくさに、途中で投げ出してしまった大多数の読者が、下巻の面白さを知らないまま「ジョン・アーヴィングはいいけど、あの処女作はどうもね」というのを想像してほくそ笑む、いやらしい自分がいた。

318頁 『走り去っていくタクシーの中で身をゆすって笑いこけている二人の姿を目にしたものはこう思ったことだろう。あんな老人がどうしてあれほど可愛い娘を笑いころげさせるような面白いことが言えるのだろう、と』このあたりから面白くなる。

ナチスが迫るオーストリアの街中。老人は祖父で、娘はボクの母なのだ。

『熊を放つ 上』ジョン・アーヴィング著 (1942生 26歳のデビュー作)村上春樹翻訳ライブラリー





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