『藤田嗣治エッセイ選 腕一本 巴里の横顔』

「人は勝手な理屈をつけてなんとでも言っている。

世間の口はうるさく一人の口から漏れて何千の人の耳に伝わって

それが広まっても、私は終始0が何万集まっても0に過ぎず、

一の方が強いと言ってる」(65年の11月頃のある夜書く)

絵の本場・世界のパリで認められ、絵が売れるという

誰にもできないことを成しとげた目立ちがり屋のいやな奴を

認めたくない気持ちは、分からない訳ではないが、

その藤田が、なんとか日本に同化しようと

戦争画を嬉々として描いたのもまた当然だったろう。

しかし戦争が終われば彼だけが戦争画を描いたわけではないのに、

それを理由に彼を排斥した。

行きどころはフランス国籍を取って隠遁生活をする他なかったのだ。

日本人でもフランス人でもない傷心の晩年を送ったようだが、

だれの真似でもない独自の絵を確立したのだから、

自分の一生を肯定し「どうだ」と胸を張ってほしかった。

『藤田嗣治エッセイ選 腕一本 巴里の横顔』近藤史人編 講談社文芸文庫











腕(ブラ)一本・巴里の横顔—藤田嗣治エッセイ選 (講談社文芸文庫)
講談社
藤田 嗣治

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