ニート

「口座番号、教えてよ」
口に出してはじめて、とても恥ずかしい台詞を吐いていると思った。
ずっと言おうと思っていたことなんて、みんな恥ずかしいことばかりだ。



ニートしているキミに会いたくて、
あぶない事までして金を貸してやりたくなる女心に、
着物姿の八百屋お七を見た。

寺小姓に恋慕のあまり放火未遂事件をおこし
正直に16歳であると主張して火刑になった西鶴の「好色五人女」。



関係のないお七を思ったのは、
損得のない女心が可愛いいから。

女は“金持ちで背が高く、話が面白くてやさしい男”が好きなんてのは嘘で、
光熱費の取立てにおびえながら、
具の入っていないインスタントラーメンと水をすすっている男のほうが
本当は心から好きになれ、惜しげもなく愛を注ぐことが出来る。



私にだって節度というものはある。
だけど、キミがもし、本当に、ダメになるときが来たら、
私がキミを趣味の車みたいにまるごと引き取ってやる。
君は私のヒモみたいになってしまってもいいかも。



こわいことに手を出してまで想いを表現するカワイイ愛。


絲山秋子著 『ニート』









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